CUBE

久々に「キューブ」を観た。

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※以下、ネタバレを含みます。

ストーリーは、wikipediaによると以下のとおり。

目が覚めると謎の立方体(CUBE)に捕らえられていた数人の男女。誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、彼らは死のトラップが張り巡らされたこの立方体からの脱出を試みる。


映画を観ても、結局何のためにCUBEが作られ、登場人物が何のために閉じ込められたのか、真相は分からない。

一応、映画では、CUBEの設計者が、CUBEの目的について問われた時にこう答えている。

これは終わりのない忘れ去られた公共事業だよ。
しかし、使わなければ無駄になる。だから人を入れる。
相手にしなければならないのは無目的に動くシステムそのものなのだ。


おそらく、CUBEには目的は無いし、登場人物だって特に理由なくCUBEに放り込まれたのだ。

僕は、CUBEはこの世の中そのものだと思った。
僕らはこの世に理由もなく生を受け、否応なく放り込まれる。ちょうどCUBEの部屋番号に難解なルールが隠されているように、この世の中にも守るべき難解な暗黙のルールがある。世間の常識のルール、人間関係のルール、・・・。これをきちんと守らないとトラップの餌食となってしまう。

僕らはCUBEの中を、何十年も、トラップを踏まないように神経をすり減らしながら、ぐるぐると回っているのだ。そう考えると何だか滑稽だ。


登場人物の一人は最終的に、CUBEの外に出られる(外に何が待ち受けているのかは明らかではないが)。

僕らもいつかは自分を取り巻く世の中から抜け出せるのではないか、と何となく期待している。そして、その期待が叶わぬことは頭の片隅では分かっている。

もし抜け出せるのだとすれば、それは映画と同じく、僕らが精神異常者となった時なのかもしれない(映画では、CUBEの外に出られる一人は、精神異常者である)。