知的財産推進計画2015

少し前ですが、知財推進計画2015が決定しましたね。


知的財産推進計画2015(平成27年6月19日決定)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20150619.pdf


「知的財産推進計画」というのは、内閣に設置された「知的財産戦略本部」が、毎年この時期に出しているものです。政府が取り組んでいく知財関連のトピックが挙げられているので、これを読めば、今後のホットトピックが分かるというわけです。

そして今年の推進計画では、重点3本柱として、以下3つが挙げられています。
1.地方における知財活用の推進
2.知財紛争処理システムの活性化
3.コンテンツ及び周辺産業との一体的な海外展開の推進

特許に関係するのは、1.と2.ですね。個人的には、2.が目新しいように思います。というのも、今までは、権利化関連のトピックが中心で(審査期間短縮、審査の質向上、海外特許庁との協力…etc)、紛争処理については軽く触れられる程度だったのが、今年は紛争処理について結構踏み込んでいるからです。
本件については、「知的財産戦略本部」の下に作られた「知財紛争処理タスクフォース」で議論がなされていて、ここでの議論をまとめた「知財紛争処理タスクフォース報告書」の内容が、今回の推進計画にも盛り込まれています。


知財紛争処理タスクフォース報告書(平成27年5月28日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/tf_chiizai/tf_chiizai_houkoku.pdf


議論された項目は以下のとおりで、なかなか興味深そうですね。例えば、(1)とか、米国のディスカバリ制度を導入したりすることになるのでしょうか。さすがに、米国でもディスカバリ制度の負担の大きさが問題になっているので、そのまま導入ということは無いとは思いますが。まだ報告書をしっかり読んでいないので、次回以降、もう少し踏み込んでみたいと思います。
(1)証拠収集手続
(2)損害賠償請求
(3)差止請求権
(4)権利の安定性
(5)情報公開・海外発信
(6)知財司法アクセス


正直、僕みたいな権利化業務がメインの者にとっては、別にこの手の話はフォローしなくても業務は回るんだよね…。まぁ、でも飲み会の時の話題作りってことで。